「ほめ愛講座」の講師を務めるのは、ちゅら・サポ協会代表、チャイルドカウンセラー、ほめ愛塾塾長、ラジオパーソナリティーなど、幅広く活躍されているほり えりみ先生。沖縄在住のほり先生は、自身の子育てとたくさんのこどもやママたちとの関わりの中から、こどもはもちろん大人にも自己肯定感を高めることの大切さを感じたのだそう。現在は普段から学校や地域での講演、教職員の研修や子育てカウンセリング問題など、幅広く活躍されています。
自己肯定感が低くなりがちな日本文化
欧米では自己肯定感が強い人が多いのに比べ、日本人は謙遜が美徳とされる文化があるため、自己肯定感が低くなりがちなのだとか。特に、こどもの頃は母親の言葉をそのまま受け止めるため、こどもに対する周囲からのほめ言葉を謙遜していると、どうせ自分なんて……と自己否定の気持ちが強くなってしまいます。それを防ぐためにも、こどもには自分が素敵な存在だということを伝え、自己肯定感を育んであげることが大切なようです。
「ほめる」と「おだてる」を間違えない
ほり先生曰く、自己肯定感を高めるシンプルで効果がある方法は「ほめる」こと。
この時に気を付けるのは、「ほめる」ことと「おだてる」ことを混同しないことです。
「おだてる」のは、相手を自分の思い通りにコントロールしたい時にかける言葉です。ただおだててあげても自己肯定感は育ちません。それよりも、日常の些細な中で、相手に対して感謝やねぎらいなど、思ったことを素直に伝えてあげることが大切です。相手のことをよく見て、よく話を聞いて見えてきた良い部分を、どんどんほめてあげましょう!
ほめ上手になるために
自己肯定感を育てるに「ほめる」ことが大切だということはわかっても、人はほめられていないと「ほめ上手」にはなれないといいます。とはいえ、大人になると中々人にほめられるという機会も減ってくるもの。人にほめられるのを待つのではなく、まずは自分で自分のことをほめてあげましょう。
朝起きた時、自分のいいところ、好きなところを思い浮かべてに紙に書き声に出して読み上げます。あまり難しいことは考えず「思いやりがある」「今朝は早起きできた」「靴を片づけている」など、些細なことでOK。最初は少ししか書けなくても、日々の積み重ねで書き出せることは増えてきます。
一日の始まりに、自分自身を認めるという作業を行なうことで、「完璧じゃなくても私っていいよね」というポジティブな気持ちになり、心にゆとりがでて笑顔でいられるように。そうすることで周りのいいところも目に入り、自然と相手をほめられるようになるそうです。
ほめ上手になるためのワークショップ
講義の後は、グループに分かれワークショップがタート。
まずは自分の良いところをワークシートに書き出してグループ内で発表。言葉の最後は「こんな私って素敵だね!」で締めます。その後はお互いを観察し、第一印象で感じた相手の良いところをほめていきます。ほめる時のポイントは以下の5つ。
■下の名前をひらがな読みで呼びかけること。こうすることで相手を大切にしているという印象を与えることができます。
■うらやましいという言葉は、ほめ言葉ではない。
■いつも笑顔でいてなど、強要するほめ言葉はダメ。
■ほめられた人は謙遜せず「ありがとう」と受け止める。
■ほめる時に私はできてないけど……と自分を下げる言葉は言わず、相手のことのみを言う。
初めのうちはぎこちなく照れていた参加者のみなさんですが、「声が素敵」「肌がきれい」「やさしい」「接しやすい」など、お互いに良いと思ったことをほめ合い「ありがとう」と言葉を返すうちに、会場全体に自然と笑顔があふれていきました。
ワークショップ終了後には、「人とのかかわり合いの大切さを実感できた」「ほめられるとうれしいし、相手をほめる時に心が温かくなった」「ほめることで、自然と相手のいいところを自分の中に引きこむことができた」「これまでほめられると謙遜していたけれど、これからはありがとうと自信をもって返事をしたい」などの声が。ほめ合うことの大切さを発見できた様子がうかがえました。
今回ほめ愛講座を取材してみて、言葉にはたくさんのパワーが溢れていることを実感することができました。ほり先生が教えてくださった自己肯定感の高め方は毎日の暮らしの中に簡単に取り入れることができるので、子育て中の方はもちろん、接客業や企業育成、対人関係を良好にしたいと感じているかたはぜひ実践してみてください!