子どもの成長を促し、能力を引き出すためには自分の意見を押しつけず、まずは子どもが自発的にやりたいことを見つけるように見守り、観察することが大切です。そうすることで、これまで気がつかなかった子どもの興味関心、成長の様子に気付くことができるのです。
このような子育ての方法を提案し、「子どもが遊びながら学べて、さらに大人にも発見や学びのある場所」を作っているのが子育てコミュニティ「asobi基地」です。7/19(日)・20(月・祝)に柏の葉キャンパスで開催された「マナビーヤ!フェスタ」での実施の様子をご紹介します。
asobi基地には以下のようなルールがあります。
「ここはオトナもコドモも全て平等」「(ダメ!)等の否定する言葉は禁止」「何か言う前にオトナもコドモと同じ目線になり、やってみる」「自分の価値観を押し付けずフェアに対応する」
そして親子の前に用意されるものは、紙コップや紙皿、ストロー、洗濯バサミなど、どこででも手に入るような、簡単な素材。この素材を使って、子どもたちに好きなものをつ くらせます。どんな素材をどんなふうに使ってもOK! 子どもが自由に素材で遊んでいる間、親には “行動観察シート”が配られ、子どもがどんな様子で遊んでいるかを記録してもらいます。そして「子どもに『これはこう使うもの』と伝えないからこその発見 がある」とか「まだ○才だから工作はできない、と思いこまない」「こういうものを作らせたい! という気持ちを抑えて待ってみる」といった子育てのヒントをレクチャーしていきます。
作品が出来上がったら前に出てきて、自分が何を作ったのか、どうやって遊ぶのかなどを発表していきます。紙コップとストローを使ってロケットを作った子、スイカを作った子、マラカスを作った子もいました。同じ素材だけれど、誰一人として同じものはありません。「工夫した所は、ビーズが無かったからストローを切ってビーズの代わりにした」など大人では考え付かないような発想で作品を作った子もいました。
子どもの様子を見て、様々な発見について振り返ったら、お片付け。ここで親は「さあ片付けして」と言いがちですが、asobi基地代表の小笠原舞さんはこう言いました。「まずは親から始めてください。子どもに環境を整えて欲しいと思ったら、まず子どもに片付けの仕方を見せなければいけません」これがasobi基地の“平等”のルールです。
「こども自身が色々な世界を探求(探究)し、自分で楽しむ力を身につけ、自発的にやりたいことを見つける……そんな子どもの表情や眼差しを見ながら、新しい世界に気づく瞬間を共有することで、大人は子どもの発達をサポートする力を身につけることができる」と小笠原さんは言います。
参加したパパママからは「改めて子どもの様子をみることができて良かった」「他の子に影響されている様子が分かった」「兄弟で素材との向き合い方が違ったのがわかって面白かった」など、多くの発見があった様子がうかがえました。
こういった子どもの行動観察は自宅でも簡単に実践できます。ぜひ一度お子さんと一緒にやってみてください。新たな子どもの才能に気付くことがあるかも知れません。